セルフメディケーション税制と医療費控除の違い
2026年10月時点
セルフメディケーション税制は、健康診断や予防接種などの「一定の取組」を行っている方が、スイッチOTC医薬品などの対象医薬品を購入した場合に受けられる医療費控除の特例です。控除額は、その年に支払った対象医薬品の購入費の合計額から12,000円を差し引いた金額で、最高88,000円です。通常の医療費控除(10万円を超えた部分、最高200万円)とは選択適用のため、どちらか一方しか使えません。一度選んで申告すると、あとから変更することはできないため、両方の控除額を比べてから選ぶことが大切です。
ポイント
- 使えるのは、その年に健康の保持増進や疾病予防のための「一定の取組」(保険者の健康診査・人間ドック、予防接種、勤務先の定期健康診断、特定健康診査、市区町村のがん検診など)を行った居住者です。取組が必要なのは申告する本人で、家族が行っている必要はありません。
- 対象は、医療用から転用されたスイッチOTC医薬品などの「特定一般用医薬品等」の購入費です。対象商品は購入時の領収書等にその旨が表示され、一部の商品にはパッケージに共通識別マークが付いています。
- 控除額は「対象医薬品の購入費の合計額(保険金などで補てんされる部分を除く)−12,000円」で、最高88,000円です。健康診断など一定の取組にかかった費用は対象になりません。
- 通常の医療費控除とはどちらか一方を選ぶ選択適用です。セルフメディケーション税制を選んだ場合、ほかの医療費が10万円などの下限を超えていても通常の医療費控除は併せて受けられません。
- 対象品目の一覧は厚生労働省のページで毎月更新されています。令和8年度税制改正により対象範囲が見直されており、令和9年1月1日施行の改正内容も同ページで公表されています。
申請の流れ
- 対象医薬品を購入したときのレシート(対象である旨の表示があるもの)を1年分保管します。
- 健康診断や予防接種など「一定の取組」を行ったことがわかる書類を保管します。申告書への添付は不要ですが、確定申告期限等から5年間は税務署から提示を求められる場合があります。
- 「セルフメディケーション税制の明細書」を作成し、確定申告書に添付して所轄の税務署に提出します(e-Taxでも提出できます)。
必要なもの
- セルフメディケーション税制の明細書
- 対象医薬品のレシート・領収書(保管用)
- 一定の取組を行ったことを明らかにする書類(保管用。健康診断の結果通知など)
よくある質問
Q. 医療費控除とセルフメディケーション税制、どちらを選べばよいですか?
それぞれの控除額を計算して比べるのが目安です。通常の医療費控除は医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の方はその5%)を超えた部分、セルフメディケーション税制は対象医薬品が12,000円を超えた部分が対象です。一度選んで申告すると、更正の請求や修正申告で変更することはできません。
Q. 医療費集計フォームは使えますか?
国税庁の「医療費集計フォーム」は、セルフメディケーション税制の適用を受ける方は利用できません。明細書は確定申告書等作成コーナーで入力して作成できます。
出典
国税庁 タックスアンサー No.1129「特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(セルフメディケーション税制)」厚生労働省「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」国税庁 タックスアンサー No.1131「セルフメディケーション税制と通常の医療費控除との選択適用」国税庁 タックスアンサー No.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」